興行寺の桜

 当寺自慢のしだれ桜。樹齢350年以上といわれる、しだれ桜です。

 夫婦桜といい、もう1本現在よりも一層枝ぶりがやさしく葉も細かいしだれ桜がありましたが、寿命尽きて昭和13年ごろに枯れてしまいました。

 現在のしだれ桜も二度の火災に遭い、毎年の積雪に老の身を痛められ、段々花も少なくなり、木の内部が腐ってしまいました。これは、大事と昭和57年木の内部をえぐり取り、きれいに消毒、柱に鉄骨を入れセメントを流し込み縄で巻いての大治療を行いました。その後、樹皮が巻いてきました。その甲斐あって、又、多くの美しい花を咲かせるようになりました。

 平成17年庭園の大改造に伴い、現在のように本堂裏より庭園に入れるようになり、多くの方に楽しんでもらうことが出来るようになりました。

 しだれ桜の開花後10日間位、一般開放してライトアップしています。

 4月10日前後の開花、老木に咲かせる桜に会いに来てください。

このしだれ桜に関するエピソードが、以前、福井新聞に掲載されました

興行寺のしだれ桜(永平寺町)は樹齢400年。住職や門徒が枯死寸前の老木の延命に取り組んだのは25年前。幹にできた空洞にコンクリートを流し込む荒療治だったが、見事に生き返った。

 住職の奥さんが毎朝呼びかける「元気ですか」のひと言に応えようと頑張ったのか、古木はすさまじい生命力を発揮。今ではコンクリートの塊を呑み込まんばかりだという。

                                                    越山若水H20.4.2